表面処理:毛管凝縮による付着力の影響
出典: finemems
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強い毛管凝縮により,Si3N4原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope, AFM)プローブチップ先端と酸化シリコン間の付着力は,まず始めに増加し,その後湿度の増加とともに減少する.対照的に,弱い毛管凝縮により,AFMプローブチップ先端とN-octadecyltrimethoxy-silane(OTE, CH3(CH2)17Si(OCH2CH3)3)自己組織化単分子膜(Self-assembled Monolayer, SAM)間の付着力は,湿度にほとんど依存しない.このことは,一般的に用いられる巨視的な物体における理論式が本報の結果には適用できないことを示している.より正確な理論式およびプローブチップ先端の形状を想定することで,メニスカスの次元がプローブチップ先端のサイズと比較可能となる場合においては,毛細管圧力が減少するため高湿領域においてSiO2試料で付着力が減少したと説明することができた.一方,SiO2試料において付着力の上昇が低湿領域では観察されないことは,古典連続体理論の枠組みでは理解できない.本報ではこの原因を水薄膜の厚さが非常に薄いためであるとしている.新規に提案する理論式により,全湿度領域においてAFMプローブチップ先端とOTEでメニスカスが形成されないことを示し,湿度に依存していない付着力測定結果を説明する.
製法
測定手法(装置、試験片)と結果
湿度の関数としてSi3N4AFMプローブチップとSiO2およびOTE試料間の付着力を図1に示す.SiO2試料においては湿度の増加とともに付着力も増加しているが,湿度が65%を超えたあたりから付着力は一転減少に転じている.一方,OTE試料においては付着力は湿度に依存せずほぼ一定である.このことから,SAMコーティングを用いることで,湿度によるメニスカスの形成を回避できると言える.
文献情報,参考文献
X. Xiao, and L. Qian, "Investigation of Humidity-Dependent Capillary Force", J. Microelectromech. Syst., Vol.7(2), pp.252-260, 1998
