感光性ポリイミド絶縁層材料

出典: finemems

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目次

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厚膜でパターン形成後にそのまま絶縁層として利用できる溶媒可溶性ブロック共重合ポリイミドにジアゾナフトキノン系感光剤を添加したポジ型感光性ポリイミド

構造


触媒重合工程によるイミド化手法を用いて合成される非前駆体型で溶剤可溶なブロック共重合ポリイミドが製品化され、さらに、ジアゾナフトキノン系(DNQ)感光剤を付加することで、アルカリ現像でポジ型のパターンを形成する技術が実現されている。この材料は、感光特性と絶縁膜として良好な電気特性から、多層配線の絶縁層としての利用が期待されている。

非前駆体型のブロック共重合ポリイミドの厚膜(厚さがおよそ10ミクロン)におけるビア穴のパターン形状を改善するために、NT - 200より強い溶解抑制効果が期待されるTHBP - 200を採用し、15 wt %から50 wt %まで THBP - 200濃度を変化させて、最適濃度を求めた。

フッ素を含有するブロック共重合ポリイミドは、ブロック共重合ポリイミドの濃度が16.5 wt %から19.5 wt %までの範囲になるように、N - メチル - 2 - ピロリドン(NMP)の溶液として調整される。ジアゾナフトキノン系感光剤THBP - 200が異なった濃度(15、20、30、40と50 wt %)で(図1)ブロック共重合ポリイミド溶液に添加され、溶液は30分間かき回されて、そして次に室温で30分間ガスを除去し、感光性 THBP - 200 / ブロック共重合ポリイミド溶液を得た。

直流スパッタ法により堆積されたアルミニウム薄膜とニオブ薄膜、回転塗布されたシランカップリング剤の薄膜の3種類をシリコン基板上に形成し、その上にブロック共重合ポリイミドの薄膜を形成した後、密着性を比較することによって、密着性改善層としてアルミニウム薄膜が選ばれた。  

回転塗布されたブロック共重合ポリイミドの薄膜は、温度100℃で10分間、温度60℃で10分間、2ステップで熱処理され、最終膜厚は13ミクロンから19ミクロンまでの範囲となった。回転塗布された薄膜は、g線ステッパーを使い、4000の mJ / cm2 とフォーカス0の露光条件で露光された。

露光された薄膜は、温度40℃でA0 現像液(エタノールアミン / NMP / 水 =1/1/1(重量比))に浸潤させて、現像が行われる。 薄膜は、現像の後に40℃と室温の2段階で温度を変えて、純水で洗浄される。ポストベークは、THBP - 200の熱分解によって生成される窒素ガスを停滞なく除去するために、150℃で30分間と300℃で30分間の2段階で実施される。

膜厚は 表面荒さ計を使って、薄膜の現像の前と後に、そして ポストベークの後に計測される。薄膜に関して、露光された領域および未露光の領域の溶解レートが、現像時間の変化に伴う膜厚変化の特性より、求められた。

特性・性能・評価


図2には、THBP - 200濃度に対する未露光の領域と露光された領域における溶解速度の変動について、溶解コントラストとして、プロットした図を示す。

未露光領域の溶解速度は、THBP - 200濃度が増加すると、減少する傾向である。特に、未露光領域の溶解速度は15 wt %から30 wt %にかけて、急激に減少する。30 wt %以上では、THBP - 200の DNQ 感光剤の溶解抑制効果により、ほぼ一定の溶解速度300 nm/minとなる。一方、 露光された領域の溶解速度は、THBP-200濃度に ほぼ正比例して、増加する。結果として、溶解コントラストは、THBP - 200濃度に対して、著しい増加傾向を示すため、THBP - 200濃度の上昇により、感光パターン像について解像度、パターン断面形状などの質的改善が期待できる。

DNQの光反応による溶解抑制効果を利用した一般のフォトレジストでは、その感度と解像度の両方を改善するために重要な項目として、溶解コントラストの増大と露光された領域の溶解速度の向上が挙げられる。DNQを用いたフォトレジストにおいて、DNQ 濃度を増加させることは、溶解抑制効果により溶解コントラストを増倍させる一方で、高濃度のDNQによる光吸収量を同時に増倍させることになる。したがって、総合的な感光特性は、ノボラック、ポリベンゾオキサゾールのような他の感光性樹脂系に見られるように、劣化する。

しかしながら、ここで述べている感光性ブロック共重合ポリイミドの場合、溶解コントラストと感光特性は、DNQ濃度の増加により、両方ともに向上する。同様の結果がDNQを導入したポリアミック酸誘導体による感光性ポリイミドについて、得られていることが報告されている。



最適化された THBP - 200濃度である30 wt %の条件における、20ミクロン角のビア孔パターンに関するSEM観察像を図3に示す。 THBP - 200濃度30 wt %の感光性ブロック共重合ポリイミドにおいて、およそ71°のビア孔の側壁傾斜を持つ良好なビア孔パターンが形成された。その時の膜厚は、ポストベーク後の厚さで約10ミクロンであった。

文献情報,参考文献

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