凹凸表面を用いた撥水性の切り替え

出典: finemems

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目次

項目の説明 【必須】

 表面形状を変化させることで、動的に濡れ性を変化させる機構に関する研究。凹凸表面では撥水性が増加する事を利用して濡れ性を変化させる。試験の結果、ある条件下では接触角を114.6°から144.7°に変化させうる事が確認された。この技術を用いて表面上の液滴の左右で接触角を変化させる事で液滴の駆動が可能となる。

構造

 表面の形状を変化させるために、この研究ではPDMSの薄膜(2μm)をPDMSの柱で支える構造としている。柱の形状は下図に示す直方体形状である。

 通常は柱で支えられたPDMSの薄膜はほぼ平坦であり、接触角はほぼPDMSの平坦表面と等しくなる。このときの断面写真を下に示す。

 PDMS薄膜と柱で囲まれた部分の空気をポンプで排出することで、PDMS薄膜はたわみ、デバイスの表面にはPDMSの柱の形状を反映した凹凸が現れる。このとき撥水性が増大し、平坦な場合よりも接触角が大きくなる。駆動前後のPDMS薄膜の状態と接触角の関係の模式図を下に示す。


特性・性能・評価

 このデバイス上に水の液滴を置いた場合の試験結果を下に示す。比較のためにPDMSの平坦表面と凹凸表面(凹凸の大きさはデバイスと同じ)上に水滴を置いた場合も示す。これらより、デバイスを駆動する前は平坦表面とほぼ同じ接触角(114.6°)であり、駆動後は凹凸表面とほぼ同じ接触角(144.7°)であることがわかった。

 ただし、この試験結果はデバイスを駆動した後水滴を静かに作成した結果であり、水滴を形成後にデバイスを駆動した場合や乱暴に水滴を形成した場合には所望の接触角変化は得られなかった。これはPDMSの薄膜の変形が十分でなく、水滴とPDMSの間に空隙を形成できなかったためである。PDMS薄膜上に柱間隔よりも十分に小さな凹凸を設けることでPDMS薄膜のたわみが小さくても空隙を形成できる可能性があるので、今後はこのような凹凸表面を持った薄膜によるデバイス作成が必要である。


文献情報,参考文献

 Junghoon Lee, Bo He, Neelesh A Patankar, "A roughness-based wettability switching membrane device for hydrophobic surfaces", J. Micromech. Microeng. 15 (2005) 591-600

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