ヤング率の測定法(共振法)

出典: finemems

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MEMS用薄膜等の材料特性の評価技術は重要である。ここではヤング率の測定手法について説明する。 ヤング率の測定法は、引張試験が一般的であるが微小材料ではチャックの問題やひずみの測定方法 に課題がある。ここで紹介する共振法は、カンチレバー(片持ち梁)を用い、強制加振させ振幅 測定により共振点を求める。共振点からヤング率を算出できる。

利点としては、測定内容が共振周波数と測定しやすく、そのため装置が簡便、試験片も基本構造のカンチレバーと作成が容易な点が挙げられる。

一方欠点としては、材料密度が必要だが、薄膜では測定困難なこと。他の測定法にも言えるが、 長さ、幅、厚さといった基本寸法が必要という点。厚さにムラがあったり、積層薄膜等では、 全体の構造として捉えることはできるが、個々の膜の特性を割り出すことは不向き。

また、AFM等の三角型カンチレバー等は形状を算術的に置き換える必要があるので、矩形が簡便。 測定方法を改良し横弾性係数を測定できる手法も横弾性係数の測定方法(共振法)ある。

製法

矩形カンチレバーを用いると便利

AFM等の市販カンチレバーもこの手法による記載が多いと予測される。

測定手法(装置、試験片)と結果

片持ち梁は一端固定、他端自由の振動体と考えられ、強制振動を加えた場合の先端付近の変位の振幅の周波数依存性を計測する。 振幅が最大となる周波数から共振周波数frを特定できる。 具体的には図1に示した測定系を用いる。

片持ち梁基板には圧電PZT素子を貼り付ける。圧電素子はその素子の分極方向により電位差を受けると縦方向、もしくはせん断方向に変位する。 交流信号を発生しPZTに印加することにより片持ち梁基板が強制振動することになる。 この振動による先端の変位振幅を片持ち梁の先端にあてたレーザー光の反射により拡大(光てこ法)し、 分割したフォトダイオードからの信号の差分により測定する。入力信号の振幅を一定に保ちながら周波数を変化させ、 このときの片持ち梁先端の変位の振幅から、入力信号と同じ周波数成分だけを抜き出すことにより片持ち梁の周波数応答を評価できる。 共振点では振幅が最大となり、この周波数から弾性率を求めることができる。

矩形の単純形状として二次元モデルとして解くと縦弾性係数Eは次式で求まる。

E=\frac{12\rho L^{2}}{\alpha ^{4}_{i} \omega^{2}_{i} h^{2}}

ここでρは密度、hは厚さ、ωii次の共振角周波数である。

αiは、振動系の拘束条件を示した振動方程式

cosαicoshαi = − 1

から定義される値である。共振角周波数ωiは、共振周波数fiを用いれば

ωi = 1 / fi

である。


文献情報,参考文献

1) S.Timoshenko著, 谷下市松,渡辺茂 訳, "工業振動学 第3版, 東京図書, (1956) 東京

2) S.Nakano, R.Maeda, K.Yamanaka, "Evaluation of the Elastic properties of a cantilever using resonant frequencies", Japanese Journal of Applied Physics, 36 (1997) 3265-3266


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