SU-8による安価な銅モールド作製方法

出典: BeansCM

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* プロセス・インテグレーション プロセス 除去・成形 射出成型
* プロセス・インテグレーション プロセス 除去・成形 鋳造・モールディング
* プロセス・インテグレーション プロセス 付着・表面修飾 電気成膜
* プロセス・インテグレーション プロセス 付着・表面修飾 液相成膜・めっき
* プロセス・インテグレーション プロセス 改質 洗浄
* プロセス・インテグレーション プロセス 接合・接着 分子化学的接合
* プロセス・インテグレーション プロセス 接合・接着 その他
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工精度 100nm〜1μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工精度 1μm〜10μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工面積 1mm〜1cm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工面積 1cm〜10cm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 膜厚 10μm〜100μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 膜厚 100μm以上
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 深さ 100μm以上
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 アスペクト比 1〜10
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 2次元(ライン状) 10μm〜100μm
プロセス・インテグレーション 材料 有機 PDMS
プロセス・インテグレーション 材料 有機 その他
プロセス・インテグレーション 材料 無機 金属
プロセス・インテグレーション 分類 トップダウン
プロセス・インテグレーション 応用 金型(ナノインプリントモールド、ソフトリソ、スタンプなど)
機能・製作用要素 製作用要素 モールド


項目の説明 【必須】

プラスチック製のマイクロ流路デバイスは、今後様々な分野に利用されることが考えられる。この作製方法としては、ホットエンボスや射出成形などが挙げられるが、マイクロ流路に必要な深穴のマスターモールドを形成するには、LIGA(LIthographie Galvanoformung Abformung)や、シリコンの深堀エッチングなどを必要とし、コストがかかる。マイクロ流路デバイスを使い捨てにするためには、作製コストを減らす必要がある。これを解決するために、SU-8と銅めっきを用いて安価にマスターモールドを作製する技術を開発した。

銅基板はGoodfellowを用いており、70mm角で2mm厚のものである。純度は99.9%である。高アスペクト比のUV-LIGA用レジストにはSU-8(MicroChem社製)を用いた。深穴を得るために、一回目の塗布でSU-8 2050 (厚さ60ミクロン)を用い、重ねての塗布に SU-8 2100(厚さ140ミクロン)を用いた。レジストを塗布する前に、銅基板は、NaOH 5 wt%溶液+界面活性剤 0.1%の水溶液で電界洗浄を行った。条件は1Aで1minである。その後、SU-8を塗布したが、図1のように、基板とSU-8の密着性が悪かった。

図1 銅基板とSU-8との密着性

図1からわかるように、SU-8レジストと銅界面とで、横から剥がれているのが分かる。これを解決するために、HMDS(hexamethyldisiloxane)を密着層に用いた。SU-8レジストの塗布条件、密着層のHMDSの塗布条件を図2に示す。

図2 SU-8、HMDSの成膜条件

図2の条件でレジストを成膜したあと、銅マスターモールド作製を行う。この工程図を図3に示す。

図3 マスターモールド作製方法

図3aで、銅基板上に密着層とSU-8レジストを準備する。図3bでは、遮光マスクを通して、UV光を照射して露光を行う。UV照度は260mJ/cm^2である。SU-8はネガ型レジストのため、UV光が照射されたところが現像後残る(青の部分)。図3cでは、SU-8をマスクにして、銅を電界めっきにより付着させる。この成膜は、Technic社のTechnic Copper Cu2300 めっき浴を用いた。電流値は20mA/cm^2で、成膜速度は30ミクロン/時である。成膜後、SU-8をPG Remover Solution (Microchem社)で除去し、アセトン超音波洗浄1分、IPAリンスし、窒素ブローで乾かした(図3d)。完成した銅モールドを用いてホットエンボスを行うことができる(図3e)。

密着性が改善した結果を図4に示す。

図4 密着性改善結果

図4より、銅とSU-8が密着している様子がわかる。次に、高アスペクト比の銅モールド作製例を図5と全体図を図6に示す。

図5 銅モールド作製結果
図6 全体写真

図5より、30ミクロン幅で高さが200ミクロンのマイクロパターンが作製できている。また、図6はマイクロ流路用の銅モールドの全体写真である。銅基板はSi基板と同じくらいの価格であるが、パターニングのコストは、この方法の方が安価になる。


文献情報,参考文献

"Cost efficient master fabrication process on copper substrates", Simone Luigi Marasso, Giancarlo Canavese, Matteo Cocuzza, Microelectronic Engineering 88 (2011) 2322-2324.

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