ITOナノワイヤーへの有機ナノ構造体形成

出典: BeansCM

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環境応用デバイス マイクロエネルギー 環境発電
プロセス・インテグレーション プロセス 付着・表面修飾 噴射・溶射
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工面積 1cm〜10cm
プロセス・インテグレーション 材料 無機 その他
プロセス・インテグレーション 分類 ボトムアップ
機能・製作用要素 機能要素 機械要素 ピラー


目次

概要

平坦基板でない3次元構造を有する基板への有機ナノ構造体形成技術を検討するため、エレクトロスピニング法によるITOナノワイヤーの作製と、作製したITOナノワイヤーへの有機ナノ構造体形成の可能性について検討した。

実験

 Figure1にエレクトロスピニング法の装置概略図を示す。エレクトロスピニング法は、Figure1に示すように、高電圧機、ポリマー溶液・紡糸口、および、アースされたコレクターから構成される。ポリマー溶液はタンクから紡糸口まで一定の速度で押し出され、紡糸口には10~30 kVの高電圧が印加される。このため、印加電圧による電気引力がポリマー溶液の表面張力を越えるとき、ポリマー溶液のジェットがコレクターに向けて噴射されることとなる。また、ジェット中の溶媒は徐々に揮発し、コレクターに到達する際には、サイズがナノレベルまで減少している。このことから、本手法を用いることでナノレベルの構造体を容易に作製することができる。ITOナノワイヤーの作製条件は、溶液組成:17.5 %Sn溶液4 g+14 %PVAC溶液5 g、針径:23G、印加電圧:18 kVとした。焼結プロセスは、往復スプレーと450℃30分の焼成を1回とし、焼結回数が1回~10回の素子にてFE-SEM像を比較した。

結果および考察

 Figure2に本手法により作製したITOナノワイヤーの基板作製において、焼結回数の影響をFE-SEMによる表面形状像にて示す。焼結回数の増加により、ITOナノワイヤーの密度は増加傾向にあるが、多層構造はとらないため、比較的低密度な3次元構造にとどまることが分かった。Figure3に形成した有機ナノ構造体を配向制御層の有無で比較してSEM像で示す。Figure3より、配向制御層(PTCDA)があるとき、基板全面に、基板に垂直なCuPcナノピラーが成長していることが確認できる。一方、配向制御層がないときも直線状に並んだ選択的な箇所にCuPcナノピラーが作製していることが確認できた。一般的な結晶成長においては、基板の凹凸や相互作用の有無により成長形態が大きく変化することが知られており、本手法においても、ITOナノワイヤー上に成長したCuPcにおいては凹凸に起因して選択的にナノ構造体が形成したと考えられる。これらの結果により、低密度(焼成回数3回)にて形成した3次元基板に本手法を適用することにより、ITOナノワイヤーへの選択的な有機ナノ構造体形成を確認できた。


文献情報

H.Cheng, W.Chiu, C.Lee, S.Tsai, and W.Hsieh,J.Phys.Chem.C,112,42,16363(2008)

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