BODセンサー(環境応用デバイス)

出典: BeansCM

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安心安全快適デバイス 安全安心センシング センシング対象 生体・バイオ関連指標


目次

1.項目の説明

BOD(生物化学的酸素要求量、英語Biochemical oxygen demandの頭文字)は水中の有機物質が、
好気性微生物によって分解される同時に酸素を消費され、この酸欠の度合で汚濁を評価する指標である。
公式法JIS K0102では20℃で5日間に消費された溶存酸素量(O)で測定を行い、結果をBOD5で表示し、単位はmg/Lである。
河川の水質評価及び環境負荷の制御のため、排水規制に利用される水質の指標である。
公式法では測定に5日間かかり、排水処理などプロセス制御のため、微生物電極法(JIS K 3602)が確立した。
これは溶存酸素センサーの上に酵母, Trichosporon cutaneum, を固定し、検体に対して酵母の酸素消費量を短時間モニタリング方法で、
結果をBODsで表示する。現在微生物の固定化膜だけ交換するBODsの測定装置が市販され、
1時間で測定が可能である[1]。また、MEMS技術で作った小型酸素電極を用いて、メンテナンス不要、使い捨てタイプのBODセンサも報告された[2]。


2.構造

図1.一般的なBODセンサーの構造図。部品ごとに交換、メンテナンスが可能である[3]。品質は使用者が維持管理する。
図2.MEMSで作った酸素電極アレイの構造図。5個独立した酸素電極をスライド

ハウジングなど異なるが、一般的BODセンサーの構造は図1に示す。電極と生物固定膜からなっている。

MEMSで作った溶存酸素の電極が単体で使うものとアレイ状で使うものがある。基本構造は図2に示す。

ガラス基板の上に配置している[4]。交換部品がないため、品質は製造側が管理し、使用者が保管のみにする。

BODセンサーの製作は上記溶存酸素の作用電極の上部に、微生物を固定して完成する。
酵母の固定化は光架橋性ポリマーENT-3400を用いる包括法で行う。
培地などがきれいに洗い落とされた酵母、リン酸緩衝液と感光性ポリマーを重量比1:1:1で混合して、
上記の作用電極の上部に塗布する。窒素ガス雰囲気中で、紫外線を3分間照射して、固定する。
出来上がったBODセンサーチップは0.1 Mリン酸緩衝液(pH 7.0)中に保存する。

3.特性・性能・評価

評価には20℃で、酸素も飽和状態に保つように、撹拌機能付きの恒温ジャケットで行う。
BODの標準液(グルコース/グルタミン酸混合液)を用いて、検量線を作成してから、実サンプルの測定を行う。
MEMS酸素電極を用いる場合、感度が高く0.2mg/lだが、直線範囲は狭めの0-18mg/lである。測定時間は最長20分である[2]。
再現性について、固定した菌の状態のコントロールはポイントである。 リン酸緩衝液30分、水洗1分、測定目的液5分のサイクルを繰り替えすると、非常に改善される[2]。
酸素飽和が不要の差分方式のBODセンサーも報告された。溶存酸素濃度が6mg/l以上であれば、補正は可能である[4]。
BODセンサー法が事業所等の排水処理のプロセス制御や、時系列でデータの必要なケースなどが主要目的であるので、
微生物の種類や測定温度などの条件を最適化できるのもメリットである。逆に公式法と同じ20℃で実験すると、
BOD標準液や下水などに対して高感度であるが、河川水などに対して、短時間に分解できる有機成分が少ないため、検出できないこともある。
実際排水などに使うと、メンテナンスが非常に重要である。微生物膜の交換だけではなく、
酸素電極の研磨、電解液及び酸素透過膜の交換や、配管類の交換などが利用者にとって負担である。
そのためメンテナンス・フリーの使い捨てタイプが有望である。
注意すべき点として、酸素電極は酸素の絶対量ではなく、酸素の分圧に応答する。
そのため、環境変化の影響を受けやすい。電気化学的に反応性のないガスにも敏感に応答するので、
エタノールなど低い蒸気圧の物質の取扱いに注意が必要である。

文献情報・参考文献

1.http://www.aqua-ckc.jp/data/CP01-103-07-009%20QuickBOD1000.pdf
2.Yang Z, Suzuki H, Sasaki S and Karube I“Disposable sensor for biochemical oxygen demand. ” Appl. Microbiol. Biotechnol. 46(1) 10-14 (1996)
3.Karube I and Suzuki M “Microbial biosensors.”( in Biosensors a practical approach, Cass AEG ed.) Oxford: Oxford Univ Press pp 155-170 (1990)
4.Yang Z, Suzuki H, Sasaki S and Karube I“Fabrication of Oxygen Electrode Arrays and Their Incorporation into Sensors for Biochemical Oxygen Demand. ” Anal. Chim. Acta. 357: 41-49 (1997)

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