薄膜熱電発電モジュールの作製と評価

出典: BeansCM

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目次

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MEMS加工技術を用いた微細加工プロセスによって作製したシャドウマスクとフラッシュ蒸着法を使用して、薄膜熱電発電モジュールを作製し、性能を評価した。これは、p型半導体とn型半導体を自立膜上に交互に並べ、半導体同士を銅を電極にしてつなげた発電モジュールである。使用した半導体はp型半導体としてBi0.4Te3.0Sb1.6、n型半導体としてBi2.0Te2.7Se0.3を用いた。高出力な発電モジュールの設計を目的とし、設計の評価を行った。 大きさ4mm×4mmで最大出力373Kで48mVの発電能力を持つデバイスを作製した。

発電モジュールについて

Fig.1 発電モジュールの模式図

本研究で作製した熱電発電モジュールの模式図をFig.1に示す。p型とn型の半導体を交互に作製し、それらに銅を蒸着させることでp型n型をつなげた。この半導体パターンの作製にはフラッシュ蒸着法により組成ずれを抑えて成膜し、薄膜の微細なパターンをシャドウマスクのパターンを転写させることでSi3N4自立膜上に作製した。基板上を高温部、自立膜上を低温部とし平面内の温度差から発電を行う。

評価

Fig.2 評価したサンプル
Fig.3 測定結果

Fig.2に示すようなa,b,cの3パターンの熱電発電モジュールを作製して評価を行った。それぞれ熱電薄膜の長さ、熱電素子数を変えて設計を行い、発電量を評価した。これらの薄膜熱電素子のパターンによる発電性能の差異を比較することによって,熱電発電に適したパターンの設計指針を求める。室温で基板をホットプレート上に置くことで発電させ、デジタルマルチメータで電力を測定した。温度差における各パターンの発電量をFig.3に示す。モデルcが最も高い電圧を示しており、次にモデルbの電圧が高く、モデルaが最も低い電圧であった。モデルcとモデルa、bを比較すると、熱電素子数が多く、熱電素子が長いことから、各熱電素子で得られる温度差の合計が最も大きく、結果としてモデルa、bより2倍高いモジュール出力電圧が得られた。モデルaとモデルbの比較では、モデルbの出力電圧が高いためできるだけ中心にまで熱電素子を配置すれば効率が良くなることがわかる。最大発電能力を持っていたcでは13℃の温度差で48mV,16nWの性能を示した。

まとめ

本研究では高出力の発電モジュールの作製のため薄膜パターンの最適な設計を求めるため設計形状のみで発電性能を評価した。ここから温度分布を正確に把握することが必要であるが、比較的簡単なモジュールであれば,設計の出力評価には十分可能であることが示された。今回作製したモジュールは最大で、13℃の温度差で48mV,16nWの性能を示した。

文献情報,参考文献

Jun-ichiro Kurosaki,Akihiro Yamamoto,Saburo Tanaka, James Cannon,Koji Miyazaki,Hiroshi Tsukamoto,"Fabrication and Evaluation of a Themorelectric Microdevice on a Freestanding Substrate",Journal of Electronic Materials, vol.38, no.7, pp.1326-1330, (2009)

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