熱電半導体の国内における研究動向(2010)

出典: BeansCM

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環境応用デバイス マイクロエネルギー 環境発電


目次

日本熱電学会学術講演会(TSJ2010)

2010年8月19日,20日の二日間,東京大学弥生講堂を会場として,第七回日本熱電学会学術講演会が開催された.本講演会においては,全国より150を超える大学,企業,公的研究機関から,多くの研究者,技術者が参加しており,過去最大の規模となった.

トピックス

モジュール

熱電半導体の実用化については,自動車排熱利用や太陽熱発電等が世界的に注目されている.日本においても,応用物理学会によって作製されているアカデミックロードマップに『環境エネルギー』分野の一つとして取り上げられるなど,注目を集めている. 本講演会においても,酸化物熱電半導体を利用したものを初めとして,大規模な太陽熱発電の実証実験に向けての報告など,実用化に向けたモジュールや大規模発電システムの提案がなされおり,実用化への取り組みが盛んに行われている.

酸化物

酸化物系熱電半導体については,二つのセッションが設けられ,多くの研究成果報告があった.実用化に関しても多くの報告がなされており,昭和電線ケーブルシステムのグループからは酸化物熱電発電システムの長期実証試験に関して報告がなされるなど,実用化に近いところまで研究が進んでいる.

ナノ構造

本講演会ではナノ材料としてセッションがひとつ用意されていたものの,他のセッションにおいてもナノ構造を利用した報告が多数されていた.これらの講演において,どの研究グループからも,熱電半導体の性能向上にはナノ構造の利用が必要不可欠であるということが,繰り返し強調されていた.

有機物

本講演会では新規材料としてさまざまな材料が提案されていたが,その中において,有機物半導体についても議論が活発に行われていた.従来,有機材料を用いた熱電半導体においては,その電気的特性の低さがネックとなっていたが,本講演会では構造によるPower Factorの改善が報告されるなど,有機半導体材料の熱電半導体への応用に注目が集まっていた.

まとめ

本講演会において,実用化を見据えたモジュールの実証実験結果が多数報告されており,熱電発電への期待が高まっていることがうかがえる.効率改善については,ナノ構造を利用したアプローチ,新材料の提案が盛んになされている.その成果として,ZTが2に近い研究成果も報告されていた.また,特別講演においては,散乱因子の変化による性能向上の可能性が示唆され,今後さらに活発な研究がなされていくと考えられる.

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