ナノインプリントによる生体ポリマーカンチレバー作製

出典: BeansCM

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プロセス・インテグレーション プロセス リソグラフィ ナノインプリント
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工精度 100nm〜1μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工精度 1μm〜10μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工精度 10μm〜100μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工面積 100μm〜1mm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 加工面積 1mm〜1cm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 膜厚 100nm〜1μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 深さ 10μm〜100μm
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 アスペクト比 0.1〜1
プロセス・インテグレーション 精度・形状+寸法 2次元(ライン状) 100μm以上
プロセス・インテグレーション 材料 有機 その他
プロセス・インテグレーション 材料 バイオ
プロセス・インテグレーション 分類 トップダウン
プロセス・インテグレーション 応用 アクチュエーター


項目の説明 【必須】

生体ポリマーは食品包装や医療、ドラッグデリバリーと様々な領域において研究されている。同時に、生体ポリマーの詳細な解析調査も興味がもたれている。マイクロメカニカルセンサーも応用範囲の広いツールでポリマーの機械的、熱的特性を測定するのに用いられる。例えば、カンチレバーの共鳴周波数はデバイス材料のヤング率の概算を可能にする。ほかにもナノインデンテーション等と比較すると、様々な環境下での物性特性状態をリアルタイムに観察できる。しかし、生体ポリマーのマイクロファブリケーションへの導入は簡単ではなく、これらの材料を薄膜で成膜したりパターニングしたりする手法がなかった。そこで、マイクロカンチレバーの作成をナノインプリントリソグラフィを用いて作成することを試みた。 図1はプロセスの全体図である。はじめに、フルオロカーボン離型層がプラズマ重合法によって成膜された。その後、poly(L-lactide) (PLLA)をスピンコートによって成膜し、シリコンスタンプを用いてエンボス加工した。この工程は、リアクティブイオンエッチングによる残膜層の除去によるカンチレバーの形付けへとつながる。最後に、250μm厚のチップ本体がSU-8へのフォトリソグラフィによって作成され、カンチレバーチップは機械的にフルオロカーボン離型膜から剥離される。

ジクロロメタン/トルエンにてポリ-L-乳酸を6.9wt%溶液にしたものを用意した。ポリマー膜はフルオロカーボンコーティングしたシリコン基板上にスピンコートした。溶媒が蒸発したのち、PLLAが溶解する200度10分間ベークされ表面を整えた。その後、ナノインプリントリソグラフィによってチップ形状が転写された。転写温度は150度、圧力は15kNで2時間加圧し、その後50度以下に冷却したのちに剥離した。この時、PLLA上にもフルオロカーボン層を設けることでスムーズな離型を可能にしている。転写後のPLLA膜厚は13.5μm以上となり、残膜層は4-5μmでカンチレバーが剥離可能な厚さである。カンチレバーの剥離は、酸素50sccm、窒素50sccm、圧力100mTorr、出力50WのRIE酸素プラズマによって達成できた。 図2に示すのはナノインプリントによって作成したPLLAカンチレバーのSEM像である。長さが500μm、幅100μm、厚さ8μmのカンチレバーが作成できた。図3には作成したPLLAカンチレバーの共鳴周波数測定結果を示している。このとき、共振周波数は8.60±0.01kHzとなり、ヤング率に換算すると3.0±0.3GPaとなる。この値はバルクのPLLAヤング率3.5GPaとほぼ同等である。以上から生体ポリマーの材料特性の測定が可能になった。

図1 プロセス全体図


図2 作成したPLLAカンチレバーのSEM像


図3 共鳴周波数の測定結果

文献情報,参考文献

"Fabrication of biopolymer cantilevers using nanoimprint lithography",Stephan S. Keller, Nikolaj Feidenhans’l, Nis Fisker-Bodker, Damien Soulat, Anders Greve, David V. Plackett, Anja Boisen, Microelectronic Engineering 88 (2011) 2294?2296.

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